Anknot &ies

男らしさと女らしさ、どちらも取って自分100%で生きる

(取材・文 Megumi Togano)

 

自分の人生の中心に、仕事やキャリア、やりたいことがある。

それは筆者にとって、男性でも女性でも当然のことのように思えた。けれど周囲の友人たちを見ていて感じるのは、女性の人生において、結婚や子どもを持つことのインパクトはやはりとても大きいのだということ。

どれだけ男女平等といっても男性が子を産むことはできないし、身体の違いは、心や思考にも大きく影響する。

キャリアを追い求める女性にとって、女性としての人生に疑問や悩みを抱える人は多い。仕事をバリバリする女性=男らしい、というステレオタイプもあるなかで、自身の中にある女性性をうまく解放できずにいる女性も少なくないのでは…。

そんな筆者の問いにヒントをくれたのが、かな映さんとの出会いだった。キャリアも、女性としてのライフステージも、120%で駆け抜けてきた女性だ。さまざまなライフステージで悩みながら生きているすべての男女に、彼女のストーリーを届けたいと思った。そこには、「100%自分らしく生きること」へのヒントがたくさん詰まっている。

<目次>

YOLO FOR WOMENでの出会い
男性らしさ、女性らしさとは何か
人の適材適所を見極める
留学中に向き合った、母の死と自分のこれから
まずは自分のやりたいことを100%で
女性としての人生
子どもを育てながらキャリアを諦めない
世界を旅してみたい
身体を整え、前へ踏み出せる女性が増えるように
Underwear × Kanae’s Lifestyle : 見えない部分で女性らしく

   

YOLO FOR WOMENでの出会い

Anknot & iesが一般販売を開始した202212月、知人からシェアされた一つのイベントがあった。

 イベント名は、「YOLO FOR WOMEN」。2022126日から11日まで、6日間に渡り渋谷のギャラリーで開催される、駆け出しの女性アーティストたちによって企画されたイベントだった。

You Only Live Once”. ━━自分100%で生きる。 

「好きなことを仕事にしたいと考える駆け出しの女性アーティストや製作者に、自身の作品やサービスを発信し発表する場所と機会を提供すると共に、同志や仲間と認め支え合えるつながりを創出することで、多くの女性にとっての輝く人生を歩むきっかけとなることを目指します」。(プレスリリースより)

YOLO FOR WOMEN

 強いメッセージを放つそのイベントに、何かピンときてしまった筆者が「ぜひ出展させてもらえないか」と問い合わせをしたのは、イベント当日が迫る3日前だった。

 無謀とも思える問い合わせにすぐさま反応し、電話とメールで連絡をくれた女性がいた。それが「YOLO FOR WOMEN」のイベント主催として現場を取り仕切っていた、井上かな映さんだった。

 「皆初めての出展で、緊張してしまい、直前になってどうしようどうしよう、って。それでキャンセルが続いてしまったんです。やっぱり行けません、みたいな。えー!って。ここまできて逃げるの?みたいなのが何件かあって」。筆者としてはラッキーなことに、キャンセルにより空いてしまったブースの一角を割り当ててもらえることになった。

 イベントの企画が立ち上がったのは、同年の夏。エネルギーアーティストとして活動する、森下陽子さん率いるコミュニティメンバーを中心にスタートした。陽子さんの友人であったかな映さんも、コミュニティに所属する面々と顔を合わせるのは今回が初めて。

初めましての女性同士が集まり、一つのイベントに向けて力を集結するのは簡単なことではなかった。一人ひとりのモチベーション、スキルレベルにも当然差があり、それぞれができること、できないことをフォローしながら進める必要があった。 

そうした苦労を乗り切り、イベント前々夜祭、森下陽子さん×フォトグラファー・SAHOさんによる「オンナの背中50人展」のライブペインティングからスタートしたYOLO FOR WOMEN

オンナの背中50人展
出典:https://onna-no-senaka-artperformance.peatix.com/

 イベント開催期間には、多方面で活躍する女性によるトークセッションが行われ、クレイジー・ウェディング創業者である山川咲さんや、産婦人科医でありSNSや著書でも人気の高尾美穂先生らがゲストとして登壇。女性のキャリアや身体、これからのことについて、来場した女性たちと言葉を介して時間と空間をシェアした。

筆者も出店した物販ブースには、自身のアートや作品を販売するブースが並んだ。ほぼ100%女性という会場の雰囲気もあってか、渋谷のギャラリー・ルデコには、不思議な一体感のある空気が流れていた。

12月11日、6日間にわたるイベントは無事に幕を閉じた。撤収作業を前に、イベントの中心メンバーからかな映さんへ、労いと感謝を込めて花束が贈られた。その際、かな映さんから発せられた言葉は、「私は今回、本当に200%でやりました」。 

誤解を恐れずに言うなら、筆者から見たかな映さんは、その場にいたどの女性よりも男らしく見えた。

所詮内輪のイベントだから、などという甘えを一切見せず、きちんと利益を出すことも当然として、誰よりも責任感を持ち、外部からのゲストやスポンサーも含むすべての人がWin-winになるようにきっちり仕事をやり切った人の顔がそこにはあった。 

 

男性らしさ、女性らしさとは何か

企業勤めをしていた頃、筆者自身も「男らしい」と言われることがよくあった。それは半分うれしく、同時に少しさみしくもあった。 

感情を見せずに冷静な判断ができる。「男らしい」と言われるのは、男性優位になりがちな社会で、同じ土俵で戦える強さが認められたようでうれしい。けれども、「女性らしく」仕事をすることはできないのだろうか。女性らしさとは一体何なのだろう。「男らしい」と言われるのもまんざらではないけれど、もっと女性らしく、しなやかに、柔らかく。そういう強さを持ちたかった。

だからこそ、女性たちに囲まれてなお「男性らしく」采配し、皆をまとめ上げるかな映さんが、筆者には特異な存在に見えた。一人でやっていたわけではないにせよ、自身の仕事もしながら、6日間のイベントを取り仕切り、各種手配やスケジューリング、出店者のケアから会計までこなす実行力。かつ、小さな子どもを育てながらの体力も計り知れない。 

イベント後、筆者はインタビュー前にも一度、個人的にかな映さんに会い、仕事に関する相談をさせてもらったことがある。その際にも感じたのは、男性的に仕事をこなしながらも、女性として、母としての役割も担う、頼れる人物像。おそらく他の人も似たようなことを感じるからこそ、かな映さんの周りに仕事が集まるのだろう。

かな映さんが築いてきたキャリアと、女性としてどんな人生を描いてきたのか、今回のインタビューを通してその両面を知りたいと思った。

 

人の適材適所を見極める

職業、アスレチックトレーナー。一般社団法人フィジカル&ムーブメントトレーニング協会の代表であり、2019年からは自身のピラティススタジオを立ち上げ、株式会社トーチの代表も務める。そして、4才のかわいい息子くんを育てるシングルマザーでもある。

アスレチックトレーナーとしての仕事を始めたのは、大学生の時。高校までバスケチームに所属していたことから、選手を支える職業に興味を持った。大学時代から始めたトレーナーとしての道をより深く追求するために、卒業後すぐにスポーツの本場であるアメリカに渡った。

“アスレチックトレーナー”という耳慣れない仕事について尋ねた。

「皆がイメージしやすいところで言うと、たとえばサッカーの試合などで人が倒れたりすると、駆けつける人がいますよね、あれがアスレチックトレーナー。選手の栄養管理、ストレッチや身体のコンディショニング、軽い怪我のリハビリ。身の回りの健康管理をすべてやると言う感じ」。

スポーツチームには、監督、ヘッドコーチ、そして専属のトレーナー(アスレチックトレーナー)がいる。サッカーやバスケといった実際の技術を教えるのがコーチ、それ以外のことすべてをやるのがトレーナーだ。チームのスケジュール管理、トレーニングや練習をいつやるか、試合までにどうやって選手のコンディションを持っていくか、試合での動きの分析、大学生などの若い選手であれば、身体の管理について教育をするような面もある。選手の身体や健康管理に関することすべてをやる、いわば「何でも屋」だという。 

「監督は、先頭を切ってチームを引っ張る人なのだけど、私(トレーナー)は一番後ろからチームを見る立場。そういうバスケチームでずっと働いてきたことで、適材適所を見極めるのが得意になった」。その経験が、今の仕事にも生かされている。

先頭を切る、チームでいうならば監督としての立場。後ろから見守り、チームを回すトレーナーの立場。仕事をする上でその両方を自然と立ち回れることが、彼女の強みでもある。

 

留学中に向き合った、母の死と自分のこれから

アメリカに滞在していたのは、22歳から27歳までの5年間。決して短い年月ではない。まして22歳から27歳という、20代の中心となるよう時期だ。

スポンジのようになんでも吸収して、それまで日本で培ってきた考えを根本から変えてしまう…なんてこともあるかもしれない。しかし、筆者の予想に反して、かな映さんからアメリカでの青春時代について多くが語られることはなかった。

 「専属トレーナーをやっていた時は、朝6時に起きて、ご飯を食べたらそこからずっと仕事して、選手のケアなどが終わったらもう23時とか、夜0時を回るみたいな。それでまた翌朝6時に起きて…というのを週6やって」。唯一のオフの日も、怪我をした選手のために病院に行ったり、半日潰れるようなことも多かった。プライベートな時間は、半日あればいい方だったという。

留学中のかな映さんの身に、もう一つ、あまりにも大きな出来事が起きた。日本で生活していた母親に、末期がんが見つかった。日本の大学を出てすぐに留学を決め、アメリカで勉強して資格を取り、これからやっていこう、と思っていた矢先の出来事だった。

余命宣告を受けた母のために一時帰国をし、最期を一緒に過ごすことはできた。そのまま葬儀をとり行い、再びアメリカに戻ったが、23歳で母を亡くしてしまった大きな喪失感と共に、「私この先、どうしよう?」漠然とした気持ちが消えなかった。

「やればやるほどキャリアは積めるし、それこそトレーニングと同じで、やった分成果は出る。やりがいを感じられて、充実感もあるし、生きている感じがする。楽しいというのももちろんある。だけど、キャリアを追い求めて突き進めば突き進むほど、自分の人生を置き去りにしているような感じ。それがすごく苦しかった」。

私は、どうしたいんだろう?アメリカ留学中から、ずっと考えていたという。

 

まずは自分のやりたいことを100%で

充実感や楽しさを感じる、この仕事が好き。けれど、プライベートがほぼないような働き方をずっと続けることはできないし、無理を続ければ身体を壊すこともある。家族や、自分自身の人生も大事だった。

 「私はこんな感じで、男気バリバリでやってきたけど(笑)、でも女性なので。家庭も子どもも欲しいし、自分のやりたいことやキャリアと、自分の人生とどうやったらうまく両立できるんだろう、全部手に入れるにはどうしたら良いんだろう、というのを、20代では結構考えました」。

忙しくない時には、恋愛もできた。実は帰国前に、アメリカで当時付き合っていた彼からプロポーズもされたこともあった。けれど、「別に彼氏をつくったり、結婚や子どもだけのために生きていきたいという訳ではなかったから」。自分のキャリアの終着点は、アメリカではない。そう感じていた彼女は、日本に帰国する道を選んだ。 

「私はすごく恵まれていたと思うんです、男性と女性の良いところどっちも知っているという意味で。突き進むとか、目標達成するときの男性のエネルギーも知っているし、女性の少しリラックスした部分、受け入れるスタンスや、ゆるっとしたところもやっぱり必要だなと思う」。 

男性と同じようにバリバリ仕事をこなす自分、一方で男性に寄り添い、受け入れる女性としての自分。強くあろうとしたり、優しくあろうとしたり、緩めたり、引き締めたり。そのどれもが自分らしさだからこそ、女性としてどう生きたら良いのか、分からなくなる瞬間もある。

「自分らしい生き方って人それぞれだから。やっぱり私は、両方ないとバランスが取れない人間だなと思った」。

どちらか一方に振れるのではなく、どちらも取る。その間でバランスを取るなんて器用なことが、できるのだろうか。どこかサッパリしない表情の筆者に、かな映さんの答えは明快だった。「まずは自分がやりたいことに向かって集中すること。それが、結局のところ両方を取れるチャンスが一番巡ってくる」。

後輩などからキャリアの相談を受けることも多い。そんな時、いつもするアドバイスは「まず仕事を頑張れ!」だという。仕事を100%でやって、その上で例えば飲み会などに誘われたりしたら、そこには快く、女性として参加することだ。ギアをちょっと入れ替えて、エンジンを少しだけオフにしてね、と教えてくれた。

 

女性としての人生

仕事とプライベートの両立を考えながら、一所懸命にやってきたかな映さんにも、過去には唯一後悔したことがある。

「仕事を全力でしながら、片手間で婚活とかもしてたんですよ。20代、30代前半ぐらい。

だけど仕事は100%熱中して好きなことやっていた一方で、プライベートや、パートナーを見つけるときにちょっと妥協していたんです」。 

やりたいことが明確で、自分のキャリアを大事にする女性にとって、パートナーに求めるものは高年収でも高学歴でもない。あえていうなら、「普通に」働いていて、「普通に」優しくて・・・。

かな映さんにとっても、パートナーに求める条件は、すごく高いものではなかったのだろう。自身がキャリアを築いていく上で、それを理解し、応援してくれるようなパートナーでさえあれば。

息子くんを授かったとき、当時のパートナーとは結婚の話も出ていた。しかし、ほんの少しだけ、タイミングが早かった。

「『え、今産むの?』みたいな。私も、『え、確かに少し早いかもしれないけど、そのうち結婚するみたいなこと言ってたじゃん』って」。

子どもを身籠っている女性として、初めて自身のパートナー選びを後悔した瞬間だった。

「いざというときに“NO”をいうような人を、私は選んじゃったんだなって。今となれば彼の気持ちも分かるけれど、別に結婚しなくてもいいから、その時の私は、ただ肯定してほしかった」。

パートナーに対する怒りでもなく、初めての子を出産することに対する不安でもなく、かな映さんの中にあったのは、パートナー選びをどこかで妥協して、本当に本気で向き合ってこなかった自分自身に対する反省だった。

「本気で尊敬できる相手や、この人のためだったら自分のキャリア捨ててもいいと思えるぐらいの相手でなければ、結婚や子どもを理由に自分のキャリアを諦めたら後悔する。その時、私はキャリアを選んでいた方が良かったんだなと思う。そういう人生のタイミングって、『本気であるかどうか』がすごく大事なんだとそこで学んだ。本気で相手を理解したいとか、味方でいてあげたいと思えるかどうかが、パートナーを探す上でもすごく大事だと思う。まあこんなもんかなでやってると、多分、うまくいかないんだなって」。

いざとなった時に、手のひらを返す人というのはいる。最終的に自分の味方でいてくれる人なのか、言葉だけでなく行動してくれる人なのかどうか。恋愛やパートナー選びだけではなく、仕事でも過去の教訓は生きている。

井上かな映さん インタビュー

 

子どもを育てながらキャリアを諦めない

何かを決断し、切り替えた女性は強い。子どもを身籠った状態でパートナーとの別れを選び、一人で産むことを選んだ。そうして覚悟を決めてからの人生は、さらに一段階ギアが切り変わったかのように、前へ前へと進んだ。

「私は子どもがほしかったし、息子が私のところに来てくれたことは『ママ、好きなことやっていいよ』っていうメッセージだったと思ってる。私が妊娠して、その人とは結婚しないと決めたときに、私はキャリアをちゃんと突き詰めていっていいんだなという覚悟ができたというか。この子を育てながら、私はちゃんとやりたいキャリアを築いていく、子どもがいながらも仕事をしていく女性で、前に進む、という決意をしたから。あの時普通に結婚していたら、多分ここまでやってなかったと思う」。

筆者も、息子くんに数回会ったことがある。やんちゃだけど可愛くて優しい、かな映さんにそっくりの天使だ。

「息子が今朝、『ママ、話があるの』って。どうしたの?って言ったら、カボチャが食べたいって(笑)。今日はカボチャを煮てくださいって」。自分の欲しいものや必要なことを、言葉でちゃんと伝えられるのも大事な能力だ。女性が多い環境もあってか、コミュニケーション力が高い男の子にすくすくと育っている。

息子をジェントルマンに育てたいというかな映さん。アメリカで過ごした経験も、子育てにしっかり生きている。女の人にお花を買ってあげることや、エスコートしてあげること。言いたいことはちゃんと言葉にして気持ちを相手に伝えること。相手がしてくれるのを待つのではなく、自分から相手にしてあげること。

「お母さんが、何でもかんでも、子どものため、男の子のためっていつまでもやり続けちゃうと、男の人もあぐらをかいちゃうから」。

息子くんを愛するかな映さんの表情は、いつも強くて優しい。どんな青年に、そして大人に成長していくのか、数回しか会っていない筆者ですら楽しみでしょうがない。

 

世界を旅してみたい

井上かな映さん インタビュー

最後に、かな映さんの今後の目標や夢について尋ねたところ、意外すぎる答えが返ってきた。

「スペインに行きたいんですよ。今フラメンコを習っていて、フラメンコ留学をしたくて。10年、15年後ぐらいにスペインに移住して、ちょっとフラメンコ踊ろうかなって」。

予想外の話に、どう突っ込むべきかと少々戸惑った。

「とりあえず旅したいんだ、私は。だから、旅をしながら仕事するとか、そういうのもいいなって。世界一周とかもしてみたい」。

どうにかこうにか話の端をつかみ、紐解いていくと合点がいった。

「私ね、今目標がないのは、全部成し遂げてきちゃったからなんだよね。20代とか30代前半で考えていた目標は全部達成しているから。(仕事で)やりたいことは全部やっているから、他にやりたいことはないんだよね、ほんとに」。

20代、30代、自分の歳の数だけやりたいことを手帳に書いては、少しずつ達成してきた。やりたいことがたくさんあった20代、年の終わりに手帳を見返すと、3割から5割しか達成されていない。それでも毎年更新し続け、気付くとほぼすべて達成していた。

自分のスタジオを持つこともその一つだ。現在手がけているいくつかのプロジェクトも含め、いろいろな仕事がかな映さんの元に自然と舞い込むようになった。自身で何かをやろうとしたときも、周囲に協力し合える方々がたくさんいるから自分一人でやる必要がない。昔みたいに肩肘張らずともできるようになった。

例えば、現在かな映さんが手がけているプロジェクトの一つに、別の会社が経営するジムの立て直しがある。内部がうまく回っていないので、手伝って欲しいと頼まれた。下北沢で自身が運営するスタジオトーチのメソッドを持ち込み、リブランディングを図り、スタッフの配置も含め内部が上手く機能するようにする。

また、10年スパンの長期的な目標としては、産前産後のお母さんのサポート事業を日本に文化として根付かせるために、新たなスタートアップを作っている最中だ。5月末からスタートした、『産前産後コンディショニングスペシャリスト』の認定資格でトレーナーを育成し、協会として日本のお母さんたちにサービスを届けられる形にする。

大きな括りでいうと、目標は「働く女性たちの健康支援事業」。これまでのキャリアを活かし、後輩を育成しながら今後も広げていく。

 

身体を整え、前へ踏み出せる女性が増えるように

「私の軸は、身体が健康であること。心と身体、どっちが先かと言ったら、身体。身体が健康で、元気があればなんでもできるというか(笑)。それを、特に女性に対して伝えていきたい」。

いちトレーナーの枠を飛び越え、独自のキャリアを形成してきたかな映さん。自分らしいキャリアを切り拓くヒントは、「違和感に気づく」ことだという。

「こういうキャリアを作っていくべきだとか、こういう資格を取らなきゃいけないとか。トレーナーとはこうあるべきだという形に、自分を当てはめようとした時期もありました。でもある時期から、私がやりたいことを、この職業というものを使って成し遂げたり、皆で何かを作った方が楽しいよね、と思えるようになったんです。それは、ある意味“わたしを解放する”ということだし、資格とか職業にとらわれずに自分100%、何なら今は120%で毎日過ごしている」。

「こうなりたい」というメンターのような存在と出会うことも大切だ。異なる業界で、しなやかに経営者として活躍されている女性を見て、「自分もトレーナーの世界でこうなりたい」と思ったと話してくれた。

結婚をしていてもしていなくても、女性らしくても男性らしくても、子どもがいてもいなくても。身体を整え、まずは自分がやりたいことに100%エネルギーを注ぎ、自分らしいキャリアを築くための一歩を踏み出す。

「こうすべき」ではなく、「こうしたい」で生きられる女性が増えたならば、と筆者も願っている。

 

インタビュイー:井上かな映さん(STUDIO TORCH / 一般社団法人フィジカル&ムーブメントトレーニング協会 代表理事)
井上かな映さん プロフィール
井上かな映さん Instagram 井上かな映さん Twitter 井上かな映さん リットリンク

 

Underwear × Kanae’s Lifestyle : 見えない部分で女性らしく

Anknot &ies

Product:Tie-dyeニュアンスブラ / ソング ColorPeach

普段はトレーニングウェアなので、見えないところで可愛くしたいな、と言うのはあります。

あまりフリフリの装飾のものなども着ないので、シンプルだけど、色が可愛いのが好き。そういう意味で好みにも合っています。

スポブラはバストを固定するためなので、ベタッと張り付く感じでボリュームは出ないのですが、ブラをするとちゃんと寄せてあげて、久しぶりに谷間が見えるというか(笑)。シルエットが変わるので。

しばらく子どもの授乳をしていたので、ちゃんとしたブラをしていない時もあったのですが、これを購入してから、今日は休みの日だからちゃんとしたのを身につけよう、と思います。

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