他人から見た「自分」の輪郭
━━人から、どんな人とよく言われる?
不器用、あとは、人間くさいとよく言われます。全然器用じゃないし、嘘とかつけない感じなので。そこが人間らしくて良いよね、と(笑)。

━━人からそういうイメージを持たれるのは、昔からずっと変わっていない?
昔から、正直だったり不器用なのは変わってないと思うけど、そういうのを前よりさらけ出せるようになったというのは変わってきたところと思っていて。
前はすごく、周りに追いつくというか、周りに合わせないとダメなやつだと思われると思って、ダメな面を隠して必死で取り繕ってた面があったけど、隠しきれないなっていうのと、素の自分でいないと長続きしないから、そこはもういいやっていう風に(笑)。
━━素の自分を出せるようになったきっかけはある?
今自分で事業を立ち上げていて、自分にとって人生そのものというか、自分が人生で何を表現したいかという表現手段としての事業だから、そこに偽りがあったらもう、自分の事業じゃないし。
そこで本当に自分は何を信じて、何を望んで、何を伝えたいのかっていうのをめちゃくちゃ、本当に苦しいぐらい自分と向き合っていたので。そこがすごくきっかけになってるかなと思ってますね。

「解放」とは自分の感性を表現させてあげること
自分自身を解放するっていうのは、自分の感覚とか、感性を信じて表現させてあげることだと思っていて。
自分が感じたこととか、考えたことを「変かな」とか思わずに、その部分を信じて解放させてあげられるのって自分しかいないと思うので、そこが大事かなと思ってます。
━━人の目を気にしてしまうことはある?
周りの目を気にしだしてしまうと、どうしてもそっちを正解にしようとしてしまったりとか。
自分を信じてあげられてない状態の時って、人の気持ちが自分に入ってきてしまって。自分の考えていることなのか、人の意見なのか分からなくなってしまったりっていうのはやっぱりあるなあと思いますね。

人間って、一時として同じ状態でいることはなくて、常に揺らいでいる生き物だと思っていて。そこを前提として受け入れて。
常に揺れないでパフォーマンスを出し続けなければいけないとかって囚われると苦しくなっちゃうけど、いかに自分が揺れている中で、今自分はどこの状態にいて、どういうところに向かいたいのか。
自分を点検して、また行きたい方に戻していったり、道を確認して軌道修正していけばいいから、そこを受け入れていいっていうことを、自身の事業を通して伝えていきたいなと思っています。
感覚を優先してみる
━━他人の目を気にせず、自分の感性を信じてあげられるようになるにはどうしたら良いと思う?
まずは、人の目があまり関わらない範囲から、自分を信じて表現する練習っていうのはできるかなと思っていて。
例えば、私は髪をピンクにしているんですけど、そういうふうに自分にしか影響のないことで。
髪をピンクにしてみようかなと思ったらしてみるとか、洋服も、今日こういう気分だからこの色を選ぶとか、そういう一個一個の積み重ねが自分の選択だし、それによって気分が明るくなったりして。「そうして良かったな」と思えたら、その小さな積み重ねが成功体験になっていくのかなと思います。

━━「自分らしく」いられるときってどんなとき?
義務感とかじゃなくて、自分が選びたいように、服とか、メイクを選んで、好きな人と、好きな場所というか、感覚を優先して選んで過ごしているときっていうのが自分らしいときかなって思っています。
model : Sakiko Matsumi
photo : Koki Saito
hair : Mika Takitani
make : Rino